音を楽しむ「リズム遊び」が数の理解に! 所長おすすめの楽器遊びで、子どもと大人は大合奏♫
ハペブログ
所長宮野さんの連載 第7回は、”音を楽しむリズム遊び” についてです!
今回は、音を楽しむ遊びと、リズムと数の理解の関係についてお話頂きました。
宮野 亮(みやの あきら)
一般社団法人 子どもと育ち総合研究所 代表理事 所長
※第1~6回の記事はこちら!
1.所長に聞く、「積み木の遊び方」の深い世界。 -子供の自信を育てる単純動作や、1歳と4歳で異なるメソッドとは?-
2.所長に聞く、”赤ちゃんへの、初めてのクリスマスプレゼントの選び方” ~大人も一緒に楽しめる、0歳・1歳の子供におすすめのおもちゃとは?~
3.ドイツ木製おもちゃ(知育玩具)にみるヨーロッパの教育思想。~木製玩具メーカーがたくさん生まれたドイツで、所長が感じた「子供のおもちゃ遊び」の日本との差異~
4.知育玩具(おもちゃ)とは、”単なる頭が良くなるおもちゃ”ではない? / 所長に聞く、おもちゃ遊びで育む子供の8つの力と、遊びを大切にするドイツ木製玩具。
5.買ったおもちゃで遊ばない、1人遊びをしてくれない・・ / 【所長オススメの工夫】 大人と子供の”ニアネス”とは?
6.子供が注意力を発揮する! おもちゃ遊びの工夫。所長おすすめの”ある道具”とは?
私たちはたくさんの「音」に包まれて暮らしています。
音は子どもにとってとても身近な「楽しみの材料」です。
今回はその「音」を楽しむ遊びを取り上げます。
音を”見て・聞いて”楽しむ → 音を”出して”楽しむ
赤ちゃんが最初に楽しむおもちゃは「モビール」と「オルゴール」です。
新生児は自分でおもちゃを持ったり動かしたりはできません。
ですがモビールの動きを「見て」楽しみ、大人が起動してくれるオルゴールの音を「聞いて」楽しむことができます。
おもちゃを自ら持てるようになると、おもちゃを振って(あるいは動かして)音を「出す」遊びを楽しめます。
音の出る仕掛けが施されたいろいろなラトルが作られているのは、「音を出すこと」が子どもの喜びのひとつだからです。
楽器を模したおもちゃもたくさんありますが、
これらの遊びは、「音を楽しむ」遊びと「演奏を楽しむ遊び」に分けて考えたほうがいいのでは?と思っています(この2つは、もちろんつながっていることなのですが)。
「音を楽しむ」と「演奏を楽しむ」を分けてみる
鉄琴や木琴を例に考えてみましょう。
「演奏を楽しむ遊び」はメロディを奏でてみることです。
一方で、メロディは奏でられないけど、「叩いて音を出す遊び」もできます。
「叩いたら音が出た」「叩く場所(音板)で違う音が出る」ことを楽しんでいます。
これは2歳後半まで続く「動作を楽しむ遊び」の一つです。
こういう遊びをしていたら
「あー、動作を楽しむ遊びをしてるんだね」
「そういう時期なんだね」
と見てあげてください。
「メロディを奏でる」演奏よりも、「リズムを刻む」演奏は簡単です。
動作を楽しむ時期には、楽器を使った「リズム遊び」がおすすめです。
楽器を使った「リズム遊び」がおすすめ
例えば子どもが木琴や鉄琴をたたいていたら、
” 1.同じリズムを口ずさむとか手拍子をするなど、その子の奏でるリズムに合わせてあげます ”
「一緒にリズムを刻む」心地よさとうれしさを子どもは感じてくれます。
2.次は、大人が刻むリズムに子どもが合わせる、ということをします。
コツがわかってきたら、おとなはピアノやギター、ドラムなど楽器を使うこともできます。
こうなればもう立派な「合奏」ですね。
リズム動作は、数を理解することにつながる
「リズムを刻む」という動作は、「数を理解する」ことにもつながっています。
私たちがモノを数える動作は、実は規則正しいリズム運動なのです。
リズム動作に慣れているということは数を上手に数えることにつながります。
なので、オランダのピラミーデ(ピラミッドメソッド)(注)では、数を学ぶプロジェクトの中で「リズム遊び」が盛り込まれています。
音を楽しむ、合奏をとおして心が共感する・感応するといった「非認知的能力」が、数の理解という「認知的能力」につながっているわけです。
リズム遊びで子どもとの ”コラボ” を楽しんでください。
(注)オランダで作られた幼児教育法。1994年にオランダ政府が全国の幼児教育保育施設に推奨した。日本では2005年から基礎講座を開催中。詳しくは次をご覧ください。
http://www.play-dev.jp/pyramid/
次回は、お子さんの年齢別の「おままごと遊び」を紹介します。
年齢で異なる「おままごと遊び」。所長おすすめの1歳・2歳・年長さんの遊び方。
宮野 亮(みやの あきら)
一般社団法人 子どもと育ち総合研究所 代表理事 所長
”1960年福岡県生まれ。北九州市立大学文学部(中退)の後、大阪府立大学総合科学部人間関係コース(心理学・社会学専攻)卒業。高校時代より野外活動リーダーをつとめ、辻井正の主宰する「おもちゃライブラリー」において障がい児療育活動とおもちゃによる保育活動をはじめる。2004年オランダCitoにてピラミッドメソッド国際普及会議に参加。2011年、子どもと育ち総合研究所所長に就任。神戸こども総合専門学院非常勤講師。”
【子どもと育ち総合研究所の情報】
web: http://www.play-dev.jp
facebook : https://www.facebook.com/kodomotosodachi